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ぷろぽーず大作戦

 

ある日のこと。いつもの様にアンパンマンがパトロールに出掛けようとしていた朝の事です。

「ジャムおじさん、いってきまーす!」

そう元気に挨拶を済ませ飛ぼうとしたアンパンマンの目に、パン工場のドアの所をうろうろしているてんどんまんの姿が見えました。

彼は、あっちへ行ったりこっちへ来たり、兎に角落ち着かない様子でした。

不思議に思ったアンパンマンは彼に尋ねました。

「ここで何してるの?」

ドアからアンパンマンが出てきた事に初めて気付いたてんどんまんは、ビックリして尻餅をついてしまいました。

どすん。

「痛いざんす…。」

「大丈夫?」

手を差し伸べ起こしてあげました。

「どうしたんだい?何かあったのかい?」

「そ…その…実は…そのジャムおじさんに折り入って相談があるざんすよ…。」

「ジャムおじさんなら中に居るから、話してご覧よ。」

そう優しくにっこり笑ったアンパンマンはドアを開け中に入れてあげました。

「やあ、てんどんまん。」

「こんにちは。」

「わんわん。」

中にはジャムおじさんとバタコさんとチーズが居ました。

「てんどんまん、何かジャムおじさんに相談があるみたいなんだ。聞いてやってよ…。」

「ど、どうもざんす…。」

てんどんまんを案内したアンパンマンは、いつものパトロールに出掛けていきました。

「いってきまーす。」

 

さて、4人だけになりましたが、てんどんまんは、ただもじもじするだけで話を切り出そうとしません。

「あの~、その~。」

「折り入って相談って、何だい?」

優しいジャムおじさんの顔を見るのも恥ずかしい様子のてんどんまんは心成しか顔が紅くなっているようです。

「実は…その…あの…。」

「ん?何でも相談に乗ってあげるよ。」

「遠慮なんかしないで。」

「わんわん。」

「実は…その…あの…て、てんむすちゃんの事で…悩んでるんざんすよ…。」

てんむすちゃんは、頭に付いてる二本の海老天が目印の、とっても強くて優しい女の子です。

「てんむすちゃん?」

「ああ、あの子ね。今丁度この町にてんむすの美味しさを広めに来てるわね。」

「そ…そうなんざんす…。」

「で、てんむすちゃんのことで相談って、何だい?」

「あの~その~。」

「なあに?」

もう一度バタコさんが尋ねました。みんなてんどんまんの事が心配なのです。

「その…てんむすちゃん…此処から又旅に出るって言ってたんざんすよ…。」

てんどんまんの顔が曇りました。決してどんぶりから出る湯気で曇った訳ではありません。

「そういえば、そう言ってたわねえ…。」

「残念だけどねえ…。」

「アッシは…アッシは…残念なんてもんじゃないざんす。アッシは…てんむすちゃんとずっと一緒に居たいざんす…。」

「え?」

「アッシ…その…てんむすちゃんの事が…す、す、す、す…き…になったみたいなんざんす…。」

「えー!!!」

皆は一斉に驚きの声を上げました。

「そ…それで…アッシ…ずっとてんむすちゃんと居たいんざんすが…。どうしたらいいか…。う…う…う…。」

てんどんまんの瞳から涙がぽろぽろ零れました。

「泣かないで。」

「わんわん。」

バタコさんが優しくハンカチを出してくれました。

「ん~そうだなあ…ん~…あ、そうだ!てんむすちゃんに“ぷろぽーず”してみるといいよ!」

「“ぷろぽーず”!ぷろぽーずざんすね!分かりました!」

そういうとてんどんまんは自分の勇気を奮い立たせる様に拳を握り閉め勢いよくドアの方へ歩き出しました。

でも…その足が急にぴたりと止まりました。

「“ぷろぽーず”って、なんざんすか?」

お約束のボケをしてくれたてんどんまんが、皆をズッコケさせてくれたのは言うまでもありません。

 

その頃、窓の外では…

「いい事聞いちゃったー。聞いちゃったもんねー。“ぷろぽーず”は俺様が横取りしてやろう。はーひふーへほー。」

バイキンマンがイシシと笑って、悪戯をする準備をしようとバイキン城に飛んで行きました。

でも、バイキンマン、何か勘違いしているようですが…。

 

「プロポーズっていうのはね、男の人が女の人に一生一緒に居て欲しいって頼む事なんだよ。」

ジャムおじさんが説明してくれました。

「そ、そうなんざんすか…。」

「普通は、花束とか持っていってするもんだよ。」

「わ、わかったざんす…。アッシ…アッシ…頑張るざんす…!」

そう眉をきりっとさせ心を決めたようにすっくと椅子から立ち上がりました。

「アッシ、やるざんす!」

「頑張ってね!」

「わんわん!」

「ありがとうざんす!」

そうお礼を言い残してんどんまんはパン工場を後にしました。

 

道に咲いていた可愛らしいお花を一杯摘んで、てんどんまんはてんむすちゃんの居るお宿にやってきました。

丁度、てんむすちゃんは散歩の途中で、遠くからてんどんまんを見つけると、

「てんどんまーん!」

と声を掛けてくれました。

「て、てんむすちゃん…。」

“いいかい?ちゃんと気持ちを伝えるんだよ。”

ジャムおじさんのアドバイスが頭の中を駆け巡りました。

“てんむすちゃん…好きざんす…。一生一緒に居たいざんす…。アッシと…アッシと…ずっと一緒に居て欲しいざんす…。“

どんぶりの中の御飯があつあつになって焦げてしまいそうになる位顔を紅くしながら科白を頭の中で復唱しました。

膝はがくがく、手には汗を掻いて、緊張でガタガタ身体が震えてしまいます。

ゆっくり、ゆっくり、てんどんまんはてんむすちゃんの方に、花束を隠しながら近付きました。

「こ、こんにちはざんす。」

「こんにちは、てんどんまん。あなたもお散歩?」

「そう…いや、実は…アッシ…てんむすちゃんに会いに来たんざんす…。」

「えー私に?」

ビックリしながらも案外まんざらでもない様子です。

「あ、あの、実は…。」

そう、勇気を振り絞って復唱した科白を言おうとした時です。

「はーひふーへほー。」

天下のお邪魔虫、バイキンマンが現れました。

「“ぷろぽーず”はおれが貰っちゃうもんねー!」

そう言っててんどんまんが持っていた花束をバイキンUFOで奪い取りました。

「何するんざんすー!」

「違う、違う!これは花束だ!俺様の捜してるもんじゃなーい!」

そう言って花束をぽいと放り投げ、バイキンUFOで踏みつけてしまいました。

「あー!!!何するんざんすかー!!!」

頭に来たてんどんまんが、バイキンマンに摑みかかろうとした時です。

「きゃー!!!」

ふい打ちを突かれたてんむすちゃんがバイキンマンのバイキンUFOに捕まってしまい、あっという間に頭の海老天が抜き取られてしまいました。

「あ、だめ…力がでない…。」

そうです。てんむすちゃんは頭の海老天がないと唯のか弱い女の子になってしまうのです。

「てんむすちゃんを放せ!」

「駄目だもんねー!ぷろぽーずを渡すまで離さないもんねー!」

「だ、誰がお前にプロポーズなんかー!」

話が食い違っている事に誰も気付かないようです。

「てんむすちゃんを放せ!」

てんどんまんは一生懸命バイキンマンに摑みかかりました。

「えい!えい!」

でもバイキンマンのバイキンUFOはぬらりぬらりとてんどんまんの攻撃をかわしてしまいます。

「えい!えい!あっ!!!」

とうとう、転んだ拍子に頭の中の御飯と海老天が零れてしまいました。

「ハレハレ~…。」

何とてんどんまんは頭の中身がなくなると力が抜けてしまうのです。

てんどんまんは、大ピンチになりました。

「な、情けないざんす…。」

「ははーざまあみろー!はーひふーへほー!ぷろぽーずを俺様によこすまで、お前らを苛めちゃうもんねー!」

最早バイキンマンの天下です。

その時、

「てんどんまーん!」

アンパンマンが現れました。

「てんどんまん、てんむすちゃん、今助けてあげるからね!」

「又お前かー!」

「許さないぞ!バイキンマン!アーンパーン…。」

バイキンマンの悪戯に怒ったアンパンマンがアンパンチをお見舞いしようと思ったその時でした。

「や、やめてくれざんすー!」

てんどんまんが制止しました。

「ど、どうして?」

不思議に思ったアンパンマンがそう尋ねました。

「ア、アッシ…てんむすちゃんだけは…自分の手で守りたいざんす…。」

力もろくに出ず立ち上がるのもやっとのてんどんまんがムリに起き上がりながらそう言いました。

「てんどんまん…。」

てんむすちゃんがてんどんまんの様子に驚きながらそう呟きました。

「…分かったよ。でも、お手伝いさせて。お願い。このままじゃ、二人共…。」

「分かってる…分かってるざんす…。だから、御飯と海老天を…持ってきてほしいざんす…。」

「分かった。すぐ持ってくるよ!」

そう言い残しアンパンマンはジャムおじさんの元に飛んで行きました。

「そんな身体で何が出来るか!はーひふへほー!」

バイキンマンの攻撃は続きます。

それでもてんどんまんは、てんむすちゃんを助けたい一心で倒されても倒されても掛かって行きました。

もう、服も顔もぼろぼろです。

「てんどんまん、やめて!私の事はいいから、逃げて!」

そんな悲惨な様子を見ていたてんむすちゃんは目に涙を溜めながらそう叫びました。

「いやざんす…此処で逃げたら男が廃れるざんす…。」

「てんどんまん…。」

「アッシは…アッシは…てんむすちゃんの…てんむすちゃんの為なら死ねるざんす!!!」

「いやあああ!!!」

「これで終わりだ!はーひふーへほー!」

バイキンマンが最後のパンチを送ろうとしたその時です。

「てんどんまーん!これ!!!」

アンパンマンが御飯と海老天を投げてくれました。どうやらアンパンマン号の中で用意をしながらジャムおじさんも、バタコさんも、チーズも助けに来てくれたようです。

「さんきゅーざんす!!!」

御飯と海老天は勢いよくてんどんまんの頭のどんぶりにおさまりました。

「元気100倍!てんどんまん!」

ぱんぱかぱーんというBGMと共にてんどんまんの力が200%復活しました。余った100%は勿論愛の力です。

「てんむすちゃんも!」

てんむすちゃんの海老天も用意してくれたアンパンマンは海老天をてんむすちゃんに投げてくれました。

「てんむすちゃん、ふっかーつ!」

こちらも、捕まえていたバイキンUFOの手を振り解き、元気一杯になりました。

「許さないざんすー!!!」

「許さな~い!!!」

そう二人に睨まれたバイキンマンは次の瞬間にはもう、てんどんまんは箸攻撃、てんむすちゃんは手鞠攻撃と二人の協力攻撃に、

「バイバイキーン!」

という決め台詞を残してお空へ逃げて行きました。

「ありがとう。アンパンマン。」

そう振り向いた二人でしたが、そこにはもうアンパンマン達の姿はありませんでした。

バイキンマンがお空に飛んでいくのを見届けてから、二人に気を使って去っていったのです。

「あ…。あの…てんむすちゃん…。」

「あの…てんどんまんも…ありがとう…。私の事…助けようとしてくれて…。」

「い、いやあ…。」

好きな子にお礼を言われたてんどんまんは、顔を真っ赤にして照れ捲りました。

「所でてんどんまん、何か私に用でもあったん?」

さっきまでのいきさつを思い出しながらてんむすちゃんがそう尋ねました。

「い、いや…その…。」

踏みつけられ、ぐしゃぐしゃになった花束を悲しく見詰めながらてんどんまんがこう溜息混じりに言いました。

「もう…いいざんす…。てんむすちゃんに渡す花束も…あんなになったざんすから…。」

「え…?あの花束を、私に?」

花束を見ると、あっちへこっちへばらばらでもう見る影もありません。

「そうざんした…でも…。」

そう俯いてしまったてんどんまんの横を通り抜け、てんむすちゃんがゆっくりとばらばらになった花束の所へ歩き出しました。

そして、足元でぐしゃぐしゃになっている花束を一つ一つ丁寧に拾い上げ、それを手で束ね胸に抱き締め、にっこり微笑みながらこう言いました。

「ありがとう。てんどんまん。嬉しい。」

その時てんむすちゃんがてんどんまんの目に天使の様に見えたのは言うまでもありません。

「て、てんむすちゃん…!」

夕日よりも真っ赤な顔で緊張に震えながら勇気を出してこう言いました。

「ア、アッシと、ずっと、ずっと一緒に居て欲しいざんす!!!す、好きです!好きです!アッシは、てんむすちゃんの事が、好きざんす!愛してるざんすー!!!」

知らず知らずの内に叫んでいたてんどんまんを、てんむすちゃんが驚いた顔で暫く見詰めました。そして…

「私も…てんどんまんが…好きだがね…。」

そう、夢の様な嬉しい科白を呟きました。

「う、嘘じゃないざんすか…。」

「嘘じゃない。」

「ずっと、一緒に居てくれるざんすか?」

「うん。私も、てんどんまんと一緒にいたい…。」

「てんむすちゃん!」

「てんどんまん…好き…。ちゅ。」

てんむすちゃんはてんどんまんの真っ赤で、熱く沸騰してる頬にちゅーをしました。

どたっ!

「ハラヒレハレ~…。」

「てんどんまん!てんどんまん!しっかりして!」

大変です。大好きなてんむすちゃんにちゅーをされたてんどんまんは、そのショックでばたっと気絶して倒れてしまいました。

こんな様子では、二人の子供が生まれるのはまだまだ先のようです。

こうしててんむすちゃんとてんどんまんは一生一緒に暮らすことになりました。

よかったね、てんどんまん。

 

その頃バイキンマンは…

「あんたばっかね~。」

話の一部始終を聞いたドキンちゃんにこう言われていました。

「“プロポーズ”って、食べ物じゃないわよ。」

「じゃ、何なんだ?」

「プロポーズっていうのはねえ…。」

ゆったりとソファに腰掛け、優雅に読書しながらドキンちゃんは説明しました。

「…という事なのよ、分かった?」

「何だ、それならそれと最初から…ぶつぶつ…。」

「あんたが勘違いしたのが悪いんでしょ。あ~あ、私もショクパンマンさまにプロポーズされたいな~。」

ほわほわと妄想が広がりました。

“ドキンちゃん、私と、結婚してください!”

「あ~ん!やだ~!ショクパンマンさまったら~!」

そう繰り出した手が、バイキンマンに当たりました。かなりきつかったようです。

「痛いな!何すんだ!」

「あんたがそこに居るのが悪いのよ!どうしてショクパンマンさまじゃないの~?」

「此処はおれン家だー!!!」

「バイキンマンの意地悪!べー!」

ドキンちゃんの恋が実るのも、まだまだ先の話のようですネ。

 

おしまい♪

あとがき。

てんむすちゃんって一体誰?と誰もがそう思われるだろうと思って写真載せました。アンパンマンミュージアムの人形です()。いや、それ以前に何で「アンパンマン」で小説なんでしょうね(-_-;)。でもてんむすちゃんはずーっと前から好きでした。話し方といい(ちょっと標準語に近い名古屋弁)性格といい、好きです。原作でもてんどんまんとは結構らぶらぶで…。てんむすちゃんと初めて会った後お花を手にしながら頬を染めて「てんむすちゃん…。」なんて一人物思いにふけっているてんどんまん見たらそりゃあもう…。てんむすちゃんも「てんどんまんかっこよかったんよー。」なんて言ってるし…。(バイキンマンから助けて貰ったから)この二人はもしかしてアンパンマン唯一のラブラブカップルかもです。然し、何故私ってこんなにマイナーキャラ、マイナーカップリングばかり好きになるー。益々誰も付いてこれなくなれました(/_;)

所で…ドキンちゃんってショクパンマンが好きだったら行きゃあいいのにって思ってるのは私だけですか。そりゃあバイキンマンだったら自分の意のままに操れそうだし、あんな性格だからショクパンマンと一緒に居たら逆に嫌われそうだけどさ…(-_-;)

 

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