まえがき。
このお話は、ドラゴンボールZのトランクス×ブルマの15禁ものです(笑)。Hシーンは…あるといえばあるし、ないといえばないし…。でも二人のHシーンじゃないですよ(汗)。まあ読んでいただければ分かりますが、詳しい性的描写はないので全年齢の方が読んでも差支えないかなーと思うのですが流石に小学生とかにはちょっと読ませられない内容になってしまったので(笑)15禁にしました。設定はセルゲームの前の夜です。まあ細かい設定とかは…何せ家でコミックスが簡単に取れるような状態じゃないので読み返せなかったのでちょっとした(?)ズレとかはあるかもですがご勘弁を(笑)。
戦士の休息
その日。いよいよセルゲームが明日に迫った日。俺は父さんとの厳しい修行も終え、母さんの居るカプセルコーポレーションに食事と休養を取る為戻ってきていた。
とは言うものの、出たら鉄砲玉の父さんとは違い、真面目な俺は母さんに心配掛けまいと、どんなに厳しい修行があっても必ず一日に一回は此処へ顔を見せていたのだが。
「母さーん。」
窓からいきなり不躾に入ってくる事の多い父さんと違い、俺は玄関から入るとそうインターホンに向かって声を掛けた。
…が、返事がない。
仕方ないので家中を探し回る。
もしかして小さい俺の散歩にでも行ってるのかもしれない。最近夜鳴きが凄いって言ってたからな。
母さんが俺にと宛がってくれた部屋に行く前に、俺はいつも母さんの姿を捜すようにしていた。
これと言ってそんな必要があるのか、というとそうでもないが、やはり家では母さんの顔しか知らずに育った俺は、母さんの顔を此処で見ないと落ち着かないからかもしれない。
「母さーん。」
「おや、坊ちゃま。お帰りなさいませ。」
ふいにばあやに声を掛けられ俺はぎくっとしてしまった。
この人は特に修行を積んでる訳ではないのに気配を探れないからだ。
「ああ、吃驚した…。母さん見かけなかった?」
「奥様ならご自分の部屋でございますが。」
「ああ、有難う。」
そうか…。もしかしてそこで小さい俺の面倒見てるのかもしれないな。兎に角帰って来た事報告しなくちゃ。
母さん、顔にはいつも出さないようにしてるけど、ばあやの話によると話題はいつも俺のことばかりとか。
まあ、仕方ないか、手加減というものを知らない父さんと一緒に修行しているのだ。心配するなと言う方が無理だ。
「母さん、起きてる?」
部屋に付いてるインターホン越しに話し掛けた。もし寝てたら引き返そう。
すると中から聞き慣れた声がいつも通り聞こえた。起きていたようだ。
「あ、トランクス?お帰りー。丁度よかったわ。ランドリールームから私のパンツ取ってきてよー。さっき洗濯してそのままで、持ってくるの忘れたの。お願―い。このままじゃ風邪引いちゃう!」
一瞬、何を言われたか理解できずぼーっとしてしまったが…。
え?ぱんつ?ぱんつというと…あの…。その…。下に…履く…。下着…の事…?…下着…下着???
お、俺が、母さんの下着を…。も…持ってくる???
えー!
そして、頭の中でそういう自分の姿を想像して真っ赤になってしまった!
「か…母さん…。あ、そ、そうだ。ばあやにでも頼んでよ。さ、さっきすれ違ったから…まだ居るかも…。」
そう言う声が裏返ってる。
「いや!今じゃなくちゃ、早くしなきゃ風邪引いちゃう!でなきゃふやけちゃう!…トランクスだって、ふやけた母さんはいやでしょ?」
「ま、まあ…確かに…って、そうじゃなくて!」
思考回路はショートしそうだ。
「ぐすん…ねえ、トランクス。お願―い…。」
ぐすんぐすんと涙声になった。そして、可愛らしいくしゃみをくしゅんとした。
「お願い…トランクスだけが頼みなの…。あのバカは又帰ってこないし…。」
本格的に泣き出しそうになってきた。母さんって、意外と泣き虫なんだ。気は強い癖に。全く仕方ない人だよ…。
「分かった。分かったよ。…何でもいいんだね?」
俺は、ランドリールームにある母さんのぱんつを全部持ってくるなんていう勇気は持てない。
「うん。何でもいいの。お願い…。御免ね、トランクス…。」
甘ったるい声でそうお願いした。可愛い人だよな。母さんも。くすっと俺は心の中でそう笑った。父さんが母さんに惹かれた理由として、こういう所があるのかもしれない。
俺はランドリールームに着くと母さんの下着が入ってるBOXの中味を目の端でちらっと見やってそれだとさり気なく確認してから素早く蓋を開け、その中の一枚を見ないようにしてさっと取り出し素早くぼろぼろになった戦闘服に隠すようにして持ち出した。
幾ら夜中で人気があまりないとはいえ誰とすれ違うか分からない。そんな時誰かに俺が母さんのぱんつを手にしているのを見られたら俺は変態扱いだ。
いつ人とすれ違うだろう。ばあやならまだいい。もし父さんとすれ違いでもしたら俺は…。あの人に心を悟られでもするのではないかとびくびくものだ。何故か父さんの前だと俺は心隠せない。普段からポーカーフェイスとは言い難い程顔に出やすい性質をしている上に父さんときたら読心術でも会得してるんじゃないかって思える程人の心のちょっとした変化にも敏感に反応する。まあ、そうでもないと戦闘民族なんて務まらないんだろうが。
幸い誰にも会わずに母さんの部屋まで帰ってこれた。日ごろの行いがいいからかもしれない。…誰かさんとは違って。
「母さん。持ってきたよ。」
「ありがと。トランクス。助かったー。悪いけどバスルームまで持ってきてくれない?」
え…?え…?俺が…持ってくのー?そ、そんな…。このブツをここまで運んでくるのに心臓の止まるような思いをしたのに…。でも…。ええい。ついでだ。
俺は覚悟を決めた。
プシュー。
そういう快音を響かせドアは開いた。
「こっちー!」
母さんが声で俺を誘導する。
バスルームのドアを一枚隔てたこちら側が更衣室になっていた。
「そこに置いといて。ありがと。トランクス。助かったわ。」
「…じゃ、此処置いときますよ。」
ほっ。よかった。これでやっとひと段落。休養が取れそうだ。そう思った矢先…
「きゃー!!!」
絹を引き裂く…いや鉄板でも引き裂きかねないカプセルコーポレーション全体が揺れそうな母さんの悲鳴が聞こえた。
「母さん!」
無意識だった。俺はバスルームのドアを開けていた。
…後で落ち着いて考えると、ドアを開けたのは二人同時だった。バスルームのドアには防犯用に鍵を掛けられるようになっているからだ。
「トランクス!トランクス助けて!あ、あそこに…ゲジゲジが…!いやー!」
そう叫んだ母さんに抱きつかれた俺がふとバスルームを見ると、端の方に母さんの悲鳴に驚いてこそこそと逃げる最中の虫が見えた。
シュボッ…と指の先から小さい閃光弾を出し、あっさりと退治した。
「もう大丈夫ですよ、母さん。」
それを確認すると母さんは、ほーっと大きな溜息を付いた。
「ありがと。トランクス。助かったわ…。」
「大丈夫でした?」
「ええ…。」
「…。」
「…。」
裸だ。それも、全裸。それを認識するまで、もうもうと立ち込める湯気の中、母さんの白い裸体に無意識の内に見とれていた。湯気でぼやっとしている分、自棄に艶かしかった。いくら俺がいた世界の母さんより幾分若いからといって、十代や二十代といった年代でないにも拘らず母さんの肌はお湯で産毛が濡れきらきらと輝き白い素肌をより一層輝かせていた。抱きついてきた胸の感触も未だ衰えずといったオンナのそれだ。右手で閃光弾を出したから左手は無意識に腰を抱いてしまったのか、母さんの細腰の感触が心地良く左手に残った。
涙なのか、お湯なのか、区別が付かないが兎に角濡れた瞳で俺を見上げている…。その大きな瞳、キラキラとブルーに輝いてまるで宝石の様にも見える。
知らなかった…。母さんが…こんなに…イイ女だったなんて…。
どくん…どくん…。
俺の右手が…俺の意志とは関係なく動いた。
どくん…どくん…。
母さんの…頬に…。
母さん…。
「トランクス…?」
驚いた表情で大きな瞳をより一層膨らませた。
綺麗だ…。
…え?
俺は…一体…?何を…???
ぱっ…と、二人同時に離れた。母さんは再びバスルームへ。俺は更衣室を出て部屋の方へと。
どくん…どくん…どくん…。
心臓がまるで全開で戦った後の様に早鐘を打つ。
「ありがと…。トランクス…。」
そういう母さんの呼びかけにも返事できずにいた。
俺は、俺自身と格闘していたからだ。
今、何を、しようとした…?
母さんに…。
母さんに…。
血の、繋がってる人に…。
実の、母親に…。
俺は、変態かー!
はあ…。何やってんだ、俺は…。
深く、深く、溜息を付いた…。誰に聞かせるともなく、その響きは空しくカプセルコーポレーション中に響くように…。
それから俺は自分の部屋でばあやに持ってきて貰った食事を済ませシャワーを浴びた。
こうして熱いシャワーを浴びてると自分の元居た地獄の様な世界も、父さんとの厳しい修行も…全て洗い流れていくような気がする…。
シャワー…。
母さんも…こうやって…さっきは浴びていたんだろうか…?
ふいに母さんの裸体を思い出しそうになった俺は自分を叱るように頭をぶんぶんと振った。
忘れろ。忘れるんだ。実の母親の裸体に見とれるなんて…俺は自分を変態だなんて思いたくない。
ただ、母親とはいえ女性の全裸は健全な青少年の俺には刺激が強すぎた。唯それだけの事だ。
…でも、母さん…綺麗だったな…。
又そうやってぼーっと考えた。
いよいよ明日はセルゲームだというのに、これでちゃんと戦えるのか、しっかりしろ!
逆上せた頭を冷やす為俺は少し外の風に当たろうと部屋を出た。
すると母さんの部屋のドアがほんの少し開いていて、中から明りが細い筋状に漏れていた。
又小さい僕が夜鳴きしたのかな。母さんにあまり苦労掛けないでほしい。
「あ…。」
中から何やらいつもとは違う雰囲気の声が聞こえた。
健全な青少年の俺は、それが何か最初分からなかったが…。
「あ…ん。ベジータったら…。いつも…いきなり…なんだから…。もう…。あ…。」
もしかして…父さんと…?
退散しなきゃ!これじゃ覗きみたいなものだ!
でも…でも俺の希望とは逆に俺の足は根っこでも生えたかの様に動けなくなっていた。
「お前が浮気しないように不意打ちしてるんだ…。」
「浮気…?誰と?ヤムチャ…?馬鹿言わないで…。」
軽くクスッと笑った。
「俺が言ってるのは…トランクスだ…。」
「え…?何言ってんの?アンタ…?あの子はあたしとあんたの子供なのよ。」
あんた頭でもおかしいんじゃない?とでも言いたげな口調だ。
「そうだ…でも…あいつは…未来の俺達の子であって…今の俺達の子じゃあない…。」
「でも…でも…。あ…。」
「あいつは…お前が好きなんだ…。」
「え…?何バカなこと…。」
「だから…教えてやるんだ…。今夜こそ…お前が、俺のものだって事を…な…。」
「どういう事…?…まさか…!ドア…?!」
俺はそこで、父さんが俺の存在に気付いていて、わざと俺に聞こえる様に会話していたという事に初めて気が付いた。俺だけじゃない、母さんもだ。
母さんがドアが開いていた事実に気付いてこちらに近付くのが早いか、俺はカツカツと足音を消す事さえ忘れて一目散に自分の部屋へ掛け戻った。
セルゲームの前。一番大事な時に、色んなことがありすぎて、頭も心も整理しきれない。これで…俺、大丈夫か???目の当たりにはしなかったものの…父さんと母さんの…そういう時の会話を聞いてしまって…。純情な青少年の俺は顔の火照りを抑えきれないで困った。
母さん…母さん…そいつの何処がいいんだよ…。そんな…危なかった母さんと小さい俺を助けようとしなかった、冷酷で最低な男(やつ)なんか…。
イヤだ。俺の側に居て欲しい。そんなヤツなんかじゃなく、今、俺の側に。
ふいに元居た世界の母さんが恋しくなった。元の世界では、父さんはもうとうに死んでしまった人だから、母さんはいつも俺だけの母さんだった。淋しい時…辛い時…そう、俺の師匠、心の支えだった悟飯さんが殺された辛かった時も…いつも、俺の側に居てくれて俺の心を包み込んでくれた。いつも俺の事だけを想って俺の事だけ心配してくれる母さん…母さんに会いたい。俺は…母さんが恋しいよ…。
こんな俺を人は知ったらマザコン、と後ろ指差すだろうが、そんな事は関係ない。人は誰しも支えあう人が必要なんだ。
母さん…。その人は俺にとって世界で一人、母さんだけなんだ…。母さん…。母さん…俺の側に居て。母さん…。
プシュー…。
暗い部屋でたった一人で毛布にくるっと丸まる様に横になって頭を抱えていた僕の耳にその音は響いた。
そして…。
「トランクス。」
世界で一番聞きたかった人の声が響いた。
「御免ね…遅くなって…。ホントは…もっと早く来たかったんだけど…その…。」
ごにょごにょと口篭った。その理由を俺は知っているが口にしたくない。又、母さんも俺がそれを知っていると分かっているからこそ口に出来ないでいるのだろうが。
「私…あれから…シャワールームから出てから…ずっとあんたのこと心配だったの…。それで母親としては…もっと早く来なきゃいけないとこだったのに…。」
「どうして…?心配って…?」
「あんたが持って来てくれた下着…血が付いてたから…。大丈夫なの?あのバカに、無茶されてるんじゃないの…?」
そう言って暗闇の中でも何処にいるか分かる位息が掛かる距離まで顔を覗き込んできた。
「何だ…そんなの日常茶飯事ですよ。そんな事位で一々死んでたらあっちの世界じゃ生き残れない。」
くすっと軽く笑った。心配してくれたんだ…母さん…。
「…でも、すみません。持っていったやつ…汚してしまって…。」
「ううん。いいのよ。別に…こんな下着の一枚や二枚…。あれから、あのバカが偶々通り掛かったから持って来させたから、大丈夫よ…。」
「え…?父さんが…?」
本当に偶々なんだろうか…?その時俺の胸中に不快な感情がよぎった。これは何なんだろう…?
「母さん…。」
「…ん?」
“行かないで…。”
俺は、そう言い掛けたが言えなかった。我儘、甘ったれだと思われたくない。でも…
本当は…
側に居て欲しい。俺の側に、一晩中。明日の死闘の前、一時の、戦士の休息。俺に欲しい。その安らぎ。母さんという大きな揺り篭の絶対の安らぎ。安堵感。心地良い胸の鼓動…その全てを俺は今夜独り占めしたい。あの男でなく、この俺に…。母さんを独り占めする権利を獲得したかった。
でも…言えなかった。
「トランクス…。」
そう言って俺の寝てるベッドに腰掛けた。ベッドが母さんの僅かな体重でほんの少しバランスを失った。
そして、柔らかく、優しく俺の髪を撫でる感触が感じられた。
「トランクス…母さん…今夜、此処で寝ていい?」
「母さん…。」
俺は俺の髪を撫でていた手を取り、それを両手で包み込んで頬に持っていった。
「母さん…。ずっと俺の側に居て…。」
「うん…。大好きよ、トランクス…。」
「俺も…。元居た世界の母さんも、こっちの世界の母さんも…どっちも…。」
両手で包み込んでいる手にすりすりと頬を摺り寄せた。
「ねえ、母さん…。」
「なあに?トランクス…。」
「おやすみの…キス…して…。父さんにもしないような、優しいやつ…。」
ゆっくりと母さんの唇が近付いてきて…そして…俺の額に軽く触れた。
「おやすみ。」
それ以上は…何も出来なかった。当然の事だが、今夜朝まで父さんでなく俺の側に居てくれる、それだけでよかった。それだけで、俺は世界中で唯一つの安眠できる場所を確保できた幸せな男になれるから。世界で一番好きな人に朝まで側に居て貰える、その幸せを俺は父さんを差し置いてこの女性に貰えた事が、とても、嬉しかった。
母さん、俺の母さん、俺の、戦う理由。戦う力をくれる人。
戦士には…いや男には…世界で一人はどんな事があっても受け入れてくれる場所、世界で絶対安らげる場所、戦々恐々の世の中で、唯一周りの敵から怯える事無く安心しきれる場所、そう、唯一心許せる最愛の人…が必要なのかもしれない。
それは俺にとっては母さん以外にはいない。
そして…恐らく父さんにとっても…。
「トランクス…。」
ふいにぎゅっ…と俺は抱き締められた。
そして…一言…夜の静寂の中でしか聞こえないだろう小さなか細い声で…こう…囁いた。
「あんただけは…死なないで。」
涙声とも、哀願の声とも取れる、静かな叫び…。母さんの魂の悲痛な願いにも聞こえた。
薄いシルクのパジャマから…母さんの柔らかな甘い香りがふわっと香ってきた…。
これは恐らく香水ではない。そんな感じだった。母さん独特の…肌の香りなのだ。
元居た世界の母さんは…いつも機械を弄っているせいか、オイルや機械のあの鉄の様な匂いが強かった。
勿論それも大好きな母さんの匂いに他ならなかったから、俺はそれでもいつもその匂いの側に居る事を願った。
強く優しい俺の母さん…皆が居なくなっても一人孤独を涙を隠し一人で戦っていた母さん…。そして母さんはいつも俺の無事を誰より強く願っていた。涙一つ見せなくても…母さんの痛い程の想いは瞳を見ればいつでも俺には汲み取る事ができた…。
そして…それは…
こちらの世界の母さんも同じなのだ。そしてその想いはさっきの短い科白に込められ、今俺の心を貫いて…痛い程伝わっている…。
ありがとう、母さん。
いつも誰より俺の事心配してくれて。
いつも俺の心を受け止めてくれて。
俺は母さんが大好きだよ。
世界で一番…大好きな女性だ…。
ふわりと、母さんの気持ちに応えるように俺を抱き締めている母さんの胸に身体を預けた。
得も言われぬ心地良さが全身を支配する。
柔らかい母さんの胸…心臓の音…。小さい時、俺は母さんにいつもこうして抱いて貰っていたんだな…。何年経っても母さんの心地良さとその安心感と愛は変わらないんだ…。
母さんって、何て偉大なんだろう…。
ふと、独占欲がじわっと涌いてきた。
この胸、もう誰にも渡したくない。
例え父さんにも。
あんな、冷酷な男、母さんの男として、はっきり言って認めたくない。母さんは俺だけのもの…。今夜だけはそう信じたい…。例えさっきの出来事が何度思い出されても…。
翌日。母さんが新しく作ってくれた戦闘服に身を包み、俺と父さんは母さんに見送られ…死闘の場へと旅立った。
その朝は…夕べの母さんが嘘の様に…いつも通りの気の強い母さんに戻っていて、
「頑張ってね、トランクス。」
そうウィンクして俺に合図した。
「行って来ます。母さん。」
元居た世界の母さんにも言った科白を投げかけ、俺は愛する人を守る為…この世界を守る為、二度と帰って来れなくなっても不思議ではない旅路へと旅立っていった。
俺は、負けないよ。
母さんだけは…俺のこの手で…守りたいから。
END
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