理由―わけ―
「お前、タマってたんだろ。」
汗ばんだ手でべたっと肌に吸い付かせるように女の太股を撫で回しながら男は荒い息で囁いた。
女は何も答えない。ただ男にされるがままになっている。
盛り場のモーテルの一室。
女は男に誘われるままについてきた。
「お前…スカートの中、わざと見せ付けてただろ。」
耳の中を、必要以上に舌を伸ばし、べろべろとしつこく嘗め回す。
左手は既に女のマイクロミニのスカートをたくし上げている。
「お前…いつもあんな事してんのか?」
数時間前。
夜の繁華街。
所謂ナンパの名所と呼ばれる通りに、女は立っていた。
肩くらいまでのさらさらとしたストレートへアに、何処といって欠点の見付からぬ顔立ち。
特に目立つという訳ではない、派手とえぬ大人しめの美人である。
上は薄く白いキャミソール一枚。その膨らみの天辺は誰が見てもそれと判別付くほど突起物がはっきり見えている。
下は膝上20センチはあろうかという超ミニスカート。そのスカートからは白く長い足が惜しげもなく露出されていた。
そして、女は…
何かを落とした。
それを拾い上げるため女が屈んだ時、そこを歩いていた男という男の舐めるような視線が“そこ”に注がれた。
スカートの中。
そこに、見える筈のものがなかった。
そこには、ある筈の“布”がなかったのである。
そして、重力によってUの字形に撓んだキャミソールの中に、ピンク色の突起物が男たちの視線に晒されたのであった。
そんな女が男に誘われるまで時間は掛からなかった。
最初に声を掛けてきた男に誘われるままに酒を飲み此処に来たのであった。
「お前、やりマンかよ。」
ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべながら男は女の首筋に吸い付いた。
“やりマン?…そうかもしれない…”
男は女の名前も訊かなかった。女も又しかり。
男は女の身体にしか用がなかった。
「ほら…お前のココ、もうこんなになってるぜ…。」
男は女の貝に指を滑り込ませ二、三度出し入れした。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が乾いた部屋に響きわたる。
「○マ○○見せて、感じてやがったのか?…とんだヘンタイだな。」
女は目を閉じた。その唇には言葉はない。
「お前、男いねえのか?こんなに溜めるなんてよ。お前みたいな美人が、相手いないなんてコトねえよな…。」
「そんなの…いないわ…。」
口をきいた女。だが殆ど表情はない。
「可哀想に。俺が慰めてやるよ…。」
同情する、のではなく半分からかうような、バカにしたような口調で男は嫌らしく笑った。
部屋の一角の、クローゼットの開き戸のような大きな戸を男が片方だけ開いた。
所謂、“開いてはいけない扉”である。
モーテルの部屋は、外から中が見えぬよう、外への窓という窓は全てこうして封印されているのである。
それを、男はギッ…ギッ…と静かに開いた。
ベッドで横たわっている女を抱え、その出窓になっている格子の側に座らせ、足を大きく広げさせた。外で幼い少女におしっこをさせるような姿勢である。
「ほら、見せてえんだろ。オ○○○も、オッパイも…。」
男の手がゆっくりとスカートをたくし上げていく。
「此処は二階だから…よく見えるぜ。誰か気付くのも時間の問題だ。ほら、見せてやれよ…お前のオ○○―ショーをよ…。」
男の息も、女の息も荒くなっていく。
催眠術にかかったように女は、トロンとした瞳のままで男に言われるままにし始めた。
ぐちゅ…ぐちゅ…。
女の中心が自身の柘榴の実のような中心へと沈んでいく。
男はそんな女の後ろに座り、女の形の良い胸が全て下の人間に見えるようキャミソールをたくし上げる。
「あ…。」
女の液を掬い上げ男がソレを桃色の乳首に円を描くように塗りつけた。
柔らかくなっていた突起が見る見る硬度を増していく。
「ん…んん…。」
人は道を歩く時上を向いては歩かない。
故に上にあるもの、ましてや建物の二階の出来事になど気付かないものである。
だから…
男はわざと部屋の灯りを付けっ放しにした。
気付く人がいるかもしれない。或いは誰も気付かないかもしれない。
そのゲームのようなスリルは快楽を増す為の必要不可欠な要素なのだ。
ふと何気なく上を見上げた男が二人に気付いた。
初めは目を大きく見開いて驚きの表情を見せたがすぐにそれもニヤニヤとした興味津々の表情に変わった。
日常的な風景の中から切り出されたような、非日常的な卑猥画に男は釘付けになり目を皿のようにして眺めた。
その男に気付いたか気付かなかったのか、
女は自身への愛撫に夢中になっていった。
右手の中指を立て自身のク○○○○を弄び左手の人差し指と親指で乳首をきゅっきゅっと刺激する。
快楽に女の表情が歪む。
男が耳元で囁いた。
「お前は露出狂のヘンタイだな…。○○○コ出したがりのメス猫め。」
そんな男の囁きに女は異様に快感を高ぶらせていく。
「あ…あ…ああ…。」
快楽からか、恥ずかしさからか、女の瞳から涙が一筋零れ落ちた。
「あ…あ…ああ…っ!」
びくん、びくん、と二、三度身体を痙攣させ女は変態的な快感の頂点に辿り着いた。
ぐったりとなった女をベッドに運び男が静かに扉を閉じる。
自身での愛撫の快楽の余韻も覚めやらぬ内に
男がベッドに身を沈めたままの女に○ニ○をあてがった。
涎を垂れ流し、長い間待っていたご馳走を女の下の口が一杯に頬張る。
男は“揺さぶり”したさに疼いている腰を抑え、ベッド脇から何かを取り出した。
「記念、撮影だ…。」
高機能の携帯のフラッシュが部屋を明るく照らした。
所謂、ハメ撮り。
女は抵抗しない。
ただ快楽で卑猥な形に歪んだ二つの口をだらしなく開けているだけだ。
「お前みたいなヘンタイ女、初めてだ…。俺はついてるかもな…お前みたいなのとヤれるなんてよ…。」
男のどんな要求にでも応ずる、都合のいい女。
その女という据え膳を余すところなく男は貪り尽くす。
やがて、女の股の間で男の角ばった尻が快感の印を見せ、獣のような男と女の喘ぎ声が頂点に達した。
ずるずると男の性器が女の中心から引き出される。
流れる精液も拭わずに
足を閉じる事もなく
女は再びベッドに身を沈めた…。
それから女は幾人かの男と肌を重ねた。
その数は幾十かもしれないし、或いは幾百かもしれない。
声を掛けてくる男を選ぶ事もなく、どんな男とも、寝た。
女は男のどんな要求にも応じた。
野外露出、SM、スカト○…。
女はいつでも遠い目をしていた。
何をされてもされるがままで
そのくせ感度は抜群だった。
いつしか女は街で有名になっていった。
ヤりたくなればいつでも手軽に抱ける便利な女として男たちは認識していった。
けれどそんな女の奇行の理由(わけ)を知ろうとする者は誰一人としていなかった…。
そんなある日、公園の草むらで行きずりの男とヤり終えた女が足を広げたまま横たわっていた。
男はコトが終えるとさっさとベルトを締め去って行った。
カサ…
風のせいか、草むらが少し揺れた。
さっきの男が戻って来たのかとそちらの方に目をやる女。
だが目に映ったのは別の男だった。
若いが、随分身なりの汚い男である。
「あんたも、ヤりたいの?」
髪を掻き上げながらさらっと女が言い放った。
「そうだよ…。」
返事を聞かずとも
男の股間を見れば一目瞭然であった。
既に性器は露出されている。
“ヤりなさいよ”
と言わんばかりに女は初めて会う男に惜しげもなくさきほどの男が残していった精液の生々しく流れる股間を晒した。
そんな女の膝の間に男がゆっくりと顔を沈めていく。
男の激しい愛撫に女が腰をぴくぴくと動かす。
その後、男は乳首を弄んだり身体中にキスマークや歯形を付けた後、約束のように“コト”を始めた。
だが…
男は予想だにしなかった行動を始めた。
女の首を力一杯絞めだしたのだ。
“キヒヒヒ…”
不気味な笑いと共に男は口から咆哮を溢れさせた。
腰の動きが激しくなると同時に男の手の力も強くなっていった。だが、
苦痛に歪む表情とは裏腹に女は抵抗の色を見せなかった。
遠のいていく意識の中で苦痛と快楽の波に飲まれながら女は、
生涯最後の涙を流した。
“自殺する勇気を持てなかった、私…。
でも、
これで、
やっと、
あの人を、忘れられる…“
そんな、女の心を知る者は
結局、最後まで、誰一人、
存在など
しなかった…。
エピローグ~解答編~
ラストのシーン。
果たして女は不幸な結末を迎えたのか?
答えは、否。
女は自分を殺してくれる男を待っていた。
女の恋が終わった時、
女の命も消えていた。
だが女は勇気を持てなかった。
一人孤独な心を彷徨わせ
様々な男たちに身を委ねた。
男たちは女の身体にしか興味を持たなかったし、
又、愛さなかった。
都会という世界に必ず潜む、孤独という病。
その病に女は心を蝕まれていたのかもしれない。
もし、
女を抱いた男たちの内、
一人でも女の孤独な心に目を向ける者がいたら、
女は孤独という病から解放されていたのかもしれない。
だが、女は”死”を、激しく願っていた。
そしてそれを与えてくれる者が、現れた。
己の欲している要求に応えてくれる者と巡り合える、
正にそれが、”仕合わせ”と云うものではないだろうか。
女の異常な行動、そして、心の暗闇の中からの、切なる死への願い。
その動機は、全て、女を捨てた男への女の純粋な愛から発していた。
これは、”純愛”の、物語である。
あとがき
殆ど書き逃げ状態ですね^_^;。つまらない内容とつまらないオチですみません。修行が足りないようで…。
画像掲示板レンタル |アダルト無料ホームページ |