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第二章、決戦の終焉、そして…

 

翌日の夜が決戦の日となった。

僕は、鳴鏡館から出発し、数々の敵を斬り倒し、空蝉さんの忠告を無視して、蛇恍院へ足を踏み入れた。

自分が捨陰党の血を引く者かもしれない、そう分かっていても、僕は…矢張り鳴鏡の人間として生きていきたい。そう思った。

だから、僕は此処まで来たのだ。鳴鏡の為に…御門さんを守る為に、僕は捨陰党総帥と戦い、そして…勝った。

だが、その男は何と僕の父だったのだ。そして、僕を“兄さん”と呼んだあの年若い剣士は、僕の兄弟…だったのだ。

僕は、自分の血を分けた父と、兄弟を、この手で斬ってしまったのだった…!

 

 皆は、僕の事鳴鏡救った英雄の様に扱ってくれたが僕は素直に喜べなかった。

僕が捨陰党総帥の息子と知ったら皆どんな顔をするだろうか。

 そういえばあの時、空蝉さんは剣を捨てろと言った。僕が捨陰党総帥の息子だという事を最初から知っていたのではないだろうか?そして、その経緯も。

 僕は意を決して空蝉さんに訊いてみた。

すると、何と空蝉さんは十四年前、僕の父さん柊大納…を倒しに行ったその時、僕の母さんが捨陰党を抜け出そうとしているのを見たが僕達を斬るに忍びなくて逃がしてくれたらしい…。

 僕は、その時から空蝉さんに世話になっていただと思うと不思議な縁を感じずにはいられなかった。空蝉さんは、僕と母さんの命の恩人だ。

 …誰も悪くない。母さんは、明日の命をも知れぬ身分に耐えかねて捨陰党を抜け出した。空蝉さんは、僕達二人を斬るに忍びなかった。父さんは…知らない間に妻と子を失くして失意と悲しみを感じていただろう。

父さんも…可哀想な人だ。やっと息子と再会できたのに斬り合わなくてはならなかった。

そして僕も…目の前の剣士が父と判らず斬ってしまった…。

 誰も悪くない。悪いのは、この戦いそのものだった。終わらなくてはならない戦いだった。その戦いを終わらせた事を僕は確かに誇りに思う。

でも僕は、父を、斬った…。その事が、僕の胸に黒い棘となって突き刺さってしまった…。

 

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