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そんな私の痴漢事情

case2;満員じゃなくても…

 

その日私は用事でとある街へと電車で片道3時間近く掛けて出かけていた。

これはその帰りの電車での出来事である。

その時の電車は、満員ではなかった。

満員といえるのは座席くらいで、立つ所はガラガラに近い状態だったのである。

ここで痴漢とは満員電車にしか生息できない生き物だと思っていた読者様はそれは思い込みであったと思い直すべきだろう。

そう、痴漢さんという生き物は何処にでも生息できる、非常に生命力の強いタフな生物なのである。

その帰りのH電車で私はラッキーにも座れる事ができ、到って平和に電車にのって帰路についていた。

その平和を突然打ち破るかのような現象が起きた。

隣に座ってきた男が私の方に向かってぐっと足をつけて来たのである。

不審に思った私は、ぎゅっと力を込め(結構辛いのだが)足を閉じ、男の足から離したのである。

然し敵もさるものひっかくもの。

まるで追いかけるように男はさらに足を広げてき、再び私の足にぴったりと足をくっつけてきたのだ。

そういう作業をニ、三度繰り返し、とうとう逃げるスペースのなくなってしまった私は、男の足の温もりを無理やり感じさせられる事になってしまったのだ。

こういうケースは、男性ならではの痴漢行為といえる。

もし痴漢をする側が女性だった場合、こういう行為を公共の面前で行うと一目で痴漢だと分かってしまうからだ。

足を広げて座る、という仕草が自然に見えるのは男性だけ、だからである。

然し何度も言うが、足をくっつけるだけ、という行為の一体何処が気持ちいいのか、理解に苦しむのだが…。

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