そんな私の痴漢事情
case5;自宅の近所にて
これはいつもの通学途中での出来事でなはく、私の自宅の近所で起こった話である。
その時は時刻にしてまだ夜も浅い、8時くらいであった。
私は歩いて15分くらいの友人の家に遊びに行こうとしていた。
私の家の近所は周りは殆ど住宅地で、治安はそれ程悪くない。
故にそれまで私は、私がいつも通学で通っているビジネス街のNやUならいざ知らず、まさかこんな場所で“そんなもの”に出会うとは夢にも思っていなかった。
然しそれは、現実に起きたのである…。
その日私は支度を終え歩いて友人宅へ向かっていた。
そして家から歩いて一分くらいの場所にある交差点を右に曲がり、少し坂になっている道の路側帯を歩いていた。
すると前から2、3台の車が、信号が赤になった為、す…っと止まったのである。
いつもの、日常の、何気ない風景。
誰が見ても何の変哲もないその風景だった。
“その”瞬間までは。
その、止まった車の、丁度横を通り抜けようとしていた私に、一台の車の中から声を掛けた男がいたのである。
“なあ”
その声に反射的に私は声の方を見た。
(私はいつも道を歩くとき人と視線が合わないよう下を向いていたので、それまでは瞳の端で周りの風景を捉えていた)
そして、反射的に私は、多分道が分からなくなって困っているのだろう、と想像したのである。
それで、私は、声を掛けた男の方を向いたのであるが…
瞳に入った風景は、私の想像を遥かに裏切るものだった。
“ちょっと、見て”
そう言う男の声と同時に、私の目に映ったものは…
ルームランプの赤々と付いた、白っぽい、何処にでもある様な、車。
そして、その車の運転席に座っている男の身体の丁度真ん中に位置している、天を突いてそそり立っている、赤黒くグロテスクな、“ソレ”だった。
“ひっ!”
余りの恐怖と驚愕に声もなくした私は、次の瞬間ぎゅっと目を瞑り、足早にその場から退散したのである。
やがて信号も青に変わり、車は何事もなかったかのように走り去っていった。
私の記憶の中に不気味な印象を与えたものは、異様に膨張していた“ソレ”よりも寧ろ、
何の躊躇も羞恥心も微塵も感じられない、
まるで麻薬中毒患者のように怪しげにカッ…と見開かれた、
その、二つの目、だった。
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